経験を実体験へと変化させる
週末の土日は会社でイベントに出展をした。
いままで、イベント出展はたまにはしていたが、数万人来場(主催者発表)の規模のものははじめてだ。担当者は日常業務を回しながら、春の段階から準備を開始した。
僕にはひとつの確信がある。
準備さえきちんとやっていればそれに応じた結果はついてくる、という確信だ。
だから、今回は売り上げ目標のようなものは一切立てなかった。今回のイベントの目的を伝えて、あとは「今、自分たちがやらなくてはならないこと」をつぶしていってもらった。
そうすれば、準備に応じた結果はついてくる。
仮に万全の準備をしていても結果がでないのであれば、商品の選定や価格の決定に間違いがあったり、ターゲットと自社商品の間にズレがあったりしたということだ。
その時は、その現実をしっかりとみつめて、次の戦略や打ち手を考えればいい。「仮説をたてて、経験をして、反省をして、再び仮説をつくる」これは一つの経験を終えた後に行う経営者の大切な仕事だ。
一方、現場のスタッフや担当者は一つの経験から何を学ぶか。
まずは、経験を経験だけで終わらせないことだ。
イベントに出た、という経験は貴重だ。次にイベントに出る際には、きっと半分程度の労力で同じことができるようになっているだろう。それは自身の能力が経験を通じて向上した、ということだ。
けど、職業人として更なるスキルアップを図るのであれば、経験を通じて実体験へと変化させていくことが必要だ。
豊富な経験はあるけども、どうも言葉が軽いような気がする・・・
採用の面接をして、いままでの職歴を聞いているとそう感じざるを得ない人がたまにいる。そんな人は、経験を自分自身の実体験まで変化させることができなかったのだろう。せっかく時間と労力をかけていろんな経験をしたのにこれではもったいない・・・・。
もひとつは、自分が得た実体験を組織に(特に下の世代の人)伝播させることだ。
例えば来年、同じイベントに出展するとする。今年はいなかったメンバーが担当者となったとする。
そんな時に「去年、うちの会社がイベントに出展した時は・・・」と自分自身の言葉で語り、自分がつかんだ実体験を伝えていくことだ。
よく、こういった話をすると「若い世代の人は、上の人の体験談を嫌うでしょう」みたいにいわれるが、僕はそんなことはないと思う。
「俺は昔こんなことをした」という経験談のオンパレードだから嫌われるんじゃないかしら・・・・?そこには、奥行きも深さもないだろうし、次の世代に対して何かを伝える、という意図もないだろうし。。。
「俺は昔こんなことをして、反省の中からこういうことを学んだ」という実体験は、自分が仕事をやっていく上で何よりも勉強になるし、参考になる意見だ。純粋に考えるとそんな話を嫌うわけがないではないか・・・?(もちろん。実体験を話して嫌われる、というケースもなくはないでしょうけどね)
僕はそういう風に思い込んでいる。それが、下の世代にとって何よりの財産になると思っている。できれば、組織としてそんな風土になればいいな、と考えている。
今回のイベントはいろんな気づきがありました。
新たなビジネス上の出会いもありました。自分がやってることに対しての確信も得ましたし、事業の方向性を修正しようとも思いました。
多くのお客様がみえてとても勇気づけられましたし、期待も感じることができました。プライシング(価格決定)は難しいと痛感しました。
各担当者は、いままでやってなかったことを「経験」することにより、自分の能力をそれぞれの形で向上させていった、と思います。2日間、大変お疲れ様でした。
そして、経験は金を出して買わせるもの、と教えていただいた僕の師匠に感謝します。
July 30, 2007 | Permalink
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