変化を機会としてとらえる
現存する仕事はすべて正しい仕事であり、何かしらの貢献をしているはずであるとの先入観は危険である。
現存する仕事はすべて間違った仕事であり、組み立てなおすか、少なくとも方向づけを変えなければならないと考えるべきである。(『仕事の哲学』P.F.ドラッカー)
ビジネス界に影響を持つ思想家であるドラッカー博士の本にそう書いてあります。
僕は、この意見には基本賛成なので、担当者が仕事に慣れてきたなと思ったら「仕事のやり方を変えろ」ということを社内でもよく言います。
でも、いままで多くの人と仕事をしてきて、仕事のやり方を変えることができる人の方が少ないということも体験的に知っています。
多くの要因があるでしょうが、多くは変化には自己否定の側面(実際はそうでもないんですけどね)を持つからです。更には、改善や改革には、一時的な痛み(一時的には仕事が増える)を伴うからです。
では、「やり方の否定」を経営者やリーダーが否定したらどうなるか??
中小企業の場合は待っているのは、組織力の低下です。
その仕事にかかわる人の能力の低下ですし、成長の鈍化です。下の世代の成長の芽を摘むということにもつながります。長期的にはお客さんの流出を招き、その結果として給料だとか待遇だとかにも影響がでてきます。
それが現実です。
なぜなら、中小企業の場合は、変化に対応したり、変化を機会としてとらえるしか組織としての成長がないからです。成長なき企業を残しておくほど、市場は甘くはないからです。
業界環境やクライアントに大きな変化があった場合、僕らは必死になってなんとか対応をしようとします。でないと仕事にならないからです。
その変化にうまく対応ができれば会社は成長します。それは、「変化を機会としてとらえられた」ということです。
けど、優れた中小企業は変化を自らが作りだします。
業界環境やクライアントの状況の変化を待っていたらいつまでたっても企業としては受け身です。自らが率先して変化をつくりださないと、クライアントから取り残されてしまう可能性もあります。
僕の場合は、新商品の開発、イベントへの出展、人材採用、業務改善・・・・すべては組織の変化を引き起こすために行う、という側面でモノを考えています。
変化をつくりだせる組織、人材がいたら企業はまず安泰だと思います。仮に、売上などが大幅に下がったとしても、その「変化」を「機会」として新たなことができますからね。
追記
この問題の根深いところは、日常業務が行われている中で業務の改善を行わなくてはならないことがあります。
経営者やリーダーの多くは、プレイングマネージャーとして現場の実務を取り仕切っています。時間や労力が限られたなかで変化をつくりだすのは確かに大変です。
けど、それが経営者やリーダーの仕事を割り切ることが大事だと思います。変化を引き起こせるから経営者だし、リーダーでいられる、と僕は考えています。
「自分がいなかったら、この業務をどう行うか?」「どうしたら自分が楽に、クリエイティブに業務を行えるか?」を徹底的に考えてできることから変化をさせていくことです。人任せにしないのであれば、それ以外に、道はないと思います。
July 26, 2007 | Permalink
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