人と自分を比べるのはパワーがいる
ここ1年の間で、「転職したい」という相談事を何回も受けました。
僕にとっての会社とは、人が能力を高めたり、普段では付き合えない人と知り合う「場」だと思っているので、基本、転職には賛成のスタンスです。
新しい「場」には、新たに得られる経験や人間関係があるでしょうしね。
「今の状態で転職するって逃げですかね?」といわれることもありますが、「逃げ」かどうかなんて第三者の僕には分かりません。
というか、本人だって、転職の決断をした時点では分からないのじゃないかしら・・・。後年なっていろいろと経験をして「あの時の俺は逃げてたな」だとかいうような性質のものだと僕は思います。
そもそも、「逃げ」が悪いことかどうかといわれると僕は100%悪いことだとも思いません。
実際、「俺は社会から逃げたんだ」「俺は海外に逃げる場所がある」と開き直ることで、いままでにはないパワーを生み出している人を僕は何人も知っています。
そんな「逃げ」云々よりも僕が転職をする時に「これだけは大事にした方がいい」と思うことは、「人と比較している自分の存在があるかどうか」です。
僕は、2年と11ヶ月で最初の会社を辞めて旅に出ました。(前にも書きましたが、3年に1ヶ月足りなかったのは、「3年で一人前」という社会への皮肉のようなものでした。)
2年間、バイトをしながら旅をして、という今思うと贅沢な暮らしをしていました。
インドの北部の街で「これからの将来、どうしようかな」と思っていたときに、「日本に帰って何でもいいから仕事をしよう」と思い、帰国後、住宅メーカーに入社しました。
詳細は省きますけど、しんどい会社でした。
けど、僕の中では「周りがきちんと仕事をしている時に好きなことをしていたので、多少のしんどさはしょうがない」という意識が芽生えてるのに気がつきました。
学生の頃の仲間などと仕事の話をすると、どう考えても給料だって、仕事の内容だって、労働時間だって回りの方がよく見えるし、よく聞こえる。
けど同時に、「お前は好きなことしてたから、それくらいはしょうがないだろ」って自分の内なる声が聞こえてきたりするようになりました。
あれから10年近くの月日が経ちました。
僕なりに月日を積み重ねて思うことは、「人と自分とを比較することはパワーがいる」ということです。
そもそも、資本主義は人間の欲望をベースに成り立ってますし、人間ですから人をうらやむ気持ちはあるのは当然です。
それを「無」にするのは無理にしても、なるべく「人と自分とを比較する」要素を無くすのは大事だと思います。
なぜかというと、「人との比較」には想像以上のパワーが必要だからです。人間のエネルギーが有限である以上、自分のパワーを向けなくてはいけないのは「自分の人生をどう考え、どう生きるか」ということです。
人との比較にパワーを消耗させているのはもったいない、と僕は思います。
日本の転職業界の現状は「人と比較させる」ことをベースに成り立っている部分が多少ならずとも存在します。「あっちの会社にいけばやりがいがある」だとか「この職業につけば未来が開ける」みたいな・・・・。
そんな情報の中にいながら「人は差し置いて自分はどうなのよ?」って自分を客観視する視点を持つのはとても大事だと思います。
追記
ここ数年、ライブドアの堀江さんやサイバーエージェントの藤田さんのような若い経営者が現われました。そのうちに、起業業界(?)みたいなのができて、大量の「起業家予備軍」を生みしました。
でも、本心から「起業家になりたい」って思う人ってそんなにいないと思うんだけど・・・。それに、本当に起業家を目指すなら、起業業界には目もくれないでしょうしね。
December 11, 2007 in プチ経営の哲学 | Permalink | Comments (0) | TrackBack (0)
有限会社ヴィジョナリー・カンパニー 大塚和彦


