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2008.07.14

仕事の自信と自己の肥大化と

その昔、「某住宅メーカーでナンバーワン営業マン」氏の講演にいったことがあります。


出てくる話、出てくる話が自慢のオンパレードで3時間の講演の予定を1時間で切り上げて帰ってきました。

確かに、営業マンとして凄い数字を残したのでしょう。


けど、彼が設計や施工、アフターサービスやお役所の手続きをやったとは到底思えません。そこには、彼以外のメンバーの協力が絶対にあったはずです。


彼が営業を行う上でベースとなった知識は誰に教えてもらったのでしょう?パンフレットやダイレクトメールなどの営業ツールは誰がつくったのでしょう?テレビに広告を打ったのは誰の仕事でしょう?


そもそも、彼の会社が持っているブランド、それを形成してきたのは彼の先輩世代が長い時間をかけてつくりあげてきたのではないでしょうか?


少なくとも話を聞いてる限りではそんなことに思いを馳せるって感じがしなかったんですね。それが僕の美意識にビビッドに反応して拒否反応を示したのか、と。


仕事をしていくと成果が残ります。実績が残ります。経験が残るし、その中から確固たる自信のようなものが生まれたりします。


その自信が次なる成果へと結びついていき、プラスのスパイラルを描いていきます。


けど、仕事の自信が得られていくと同時に僕らは「肥大化していく自己」の萌芽を抱えることになります。


その萌芽を放っておくと、「自分の仕事に対しての慢心」や「自分の経験に対しての狂信的な思い込み」だとか、どんどんと自己が肥大化していきます。


最終的には「肥大化した自己」によって自分の経験や体験といった大事なものの存在価値をなくしていきます。


仕事に対して自信を持ちながら「肥大化していきがちな自己」をコントロールする、そのためには


「自分の実力は自分が思っているほどない」


と自分に言い聞かせる事だと思います。


「将来の目標はもっと野球がうまくなること」


どこかでイチロー選手がこんなことを口にしているのを見て「すげえ」と思いました。そこには、自分の実力をシビアに見つめてより高いところを目指す職業人の姿勢なようなものがリアルに表れていると思うのです。


必要以上に謙虚になる必要はありません。


けど、僕らが生きている社会は黙っていても自己は肥大化してく構造を持っています。そんな社会の中では「自分の実力は自分が思っている半分以下」くらいの思いを持つくらいでちょうどいいバランス感なのかな、と思います。


July 14, 2008 |

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