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2008.11.18

不安だとか焦りだとか、に毒されないために

「借りられるうちに銀行からお金を借りておこうと思うんです。」


その昔、僕は尊敬するコンサルタントに相談しました。


会社は順調だったのですが、「金融機関が貸し渋りをはじめた」なんて報道があった頃です。借りられるうちに借りておくのがリスクヘッジだと思いました。

僕の問いかけに先生は、「えっ、でも現金は足りてるじゃん。なんで??」といわれました。


僕は、「いや、将来的に売り上げが下がってからじゃ遅いかな・・・と思って」と返しました。


「えっ、それが理由だったら売上が下がらないようにって打ち手をうつのが経営じゃないの」といわれました。


なるほど確かに・・・。


今思うと、当時の僕を突き動かしてたのは、「いいようのない不安」でした。


「売上が下がったらどうしよう」と考えるあまり、不安に突き動かされて「売上がさがった時のために銀行からお金を借りておく」という本末転倒な打ち手を取ろうとしていました。


けど、今は思います。


「不安に裏打ちされた行動はなかなかうまくいかない」と。特に、経営者やリーダーなど組織に影響力のある人がこうした行動を起こす場合はなおさらです。不安は伝播する性質を持っているからです。


僕らは様々な不安を抱えます。「売上がさがったらどうしよう」だとか「お金が回らなくなったらどうしようか」だとか。


けど、その不安が動機となってすぐさま何かしらの行動をするのはどうなのか、と僕は思います。


行動の根底に「不安」があるのであればそれは場当たり的な打ち手になったりしてしまいますし。「不安」の怖いところは、そうした自分を客観視できないことにあります。


不安を感じたらまずはその不安をきちんと感じ切る姿勢が必要か、と。


あとは、「スピード幻想」から離れることです


IT系ベンチャーが隆盛を極めた時、僕らは「経営にはスピードが大事」と刷り込まれました。けど、多くの場合それは「株主に配当をしないとまずい」だとか「早く大きな会社にしていかないとバスに乗り遅れる」とかいう「不安」がベースになっていたように思います。


今の時代の本質は、機会損失が少ない時代です。ちょっとくらい経営のスピードが遅れても大丈夫な時代です。(自分が漠然と思っていたことですがこの間、冒頭のコンサルタントの先生の話を聞いて確証しました)


スピードを早めていくよりも、不安と向き合ってじっくりと構えることの方が絶対に重要です。


といっても、僕のネタ帳(日記のようなものですね)に書いてある「これからやりたいことリスト」の未消化の項目を見るたびに、「早くせんとな」と焦る自分がいるんですけどね。


けど、「自分が『やりたい』と思っていることは、不安や焦りがベースにある行動か否か」をちょっとは客観視できるようになったのは、経営をやってきた賜物か、と。


こればかりはどう考えたって本や研修なんかでは学べないでしょうね。

November 18, 2008 |

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