倒産か、雇用か といった二者択一を考える
「会社は薄情な存在だ。内部留保を切り崩してまで雇用を守らないじゃないか」
とある討論番組でそんな意見を聞きました。
日本に数百万社ある会社を一般論のような形で「薄情」と決めつけるのはどうかと思いましたが、昨今の報道をみているとそんな思いをぶちまけたくなる気持ちも分からないでもありません。
ほとんどの方が「今現在、勤めている会社は1社」である以上、この問題は「自分が所属している会社は薄情なのか?」という視点から考える必要があると思います。
僕の場合、まず「薄情」とは思われたくないです。それは、社員さんはもちろん、クライアントさんだって、協力業者さんにだって、友人にだって同様です。
だから、最後の最後まで雇用は守ります。否、「だから」というよりも、会社は社会的な存在なので雇用は守ります。
会社は、「雇用の安定」を提供することにより、働いている人に「経済の安定」(生計がたてられる)を与えます。
それは、「健康の安定」(病気になっても収入がある、病院に行ける)につながり、「自己実現の安定」(社会とかかわる場がある、自分の能力を伸ばせる)のベースになるものです。
さらにいうと、「家族の安定」(家庭が円満でいられる)や「人間関係の安定」(友達と会う時間がつくれる)、「趣味の安定」(仕事外の時間を持てる)の要因となるものでもあります。
経営者はまずこの義務(=雇用の安定)を背負っている、と僕は考えています。
だから、会社をつくって以来「やる気のある人間の雇用は守る」を貫いています。(やる気のない人の雇用を守るほど、僕はお人よしではないです)
が、ここで「会社が倒産するかしないかの局面で雇用を守れるか」という疑問にぶちあたります。「雇用を守ることを死守して、倒産しちゃったら元も子もないではないか」ということです。
確かにそれはナンセンスです。僕は、「倒産か雇用か」の二社択一になったら、関係各位に頭を下げてでも倒産回避の動きをすると思います。
が、そもそも二社択一の選択肢になるような現状を経営においてつくる(=いままで放置しておく)ことが経営者として問題です。
「経営に二者択一という選択をなるべく入れない」これはとっても重要なことです。
二者択一には、高い判断や決断が求められます。「判断を間違えられない」という状況の中でベストの判断を必ず下せる、と胸をはっていえる人がどれだけいるでしょう??
であれば、二者択一に至るまでの過程でどれだけ打ち手を打っておくか(二者択一に至らないようなポジションをつくっておく)、が大事になります。ここについては、改めて。
January 13, 2009 in プチ経営の哲学 | Permalink
TrackBack
TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/41436/43724085
Listed below are links to weblogs that reference 倒産か、雇用か といった二者択一を考える:
有限会社ヴィジョナリー・カンパニー 大塚和彦



Comments