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2009.02.27

売上減少時代の経営スタンスについて

景気が悪くなった、といわれて久しいです。僕が縁のある会社でもいろんな動きがあるようです。


大きく分けて2つの動き、ですね。


ひとつは、「売上が減少が減少しないように必死に動く会社」。もひとつは、「今の時代は何をしてもしょうがない、と静観する会社」です。


うちの会社も景気の影響は確実にでているようで、売上高はトータルで見ると昨年対比でマイナスになっているようです。


焦りのようなものがないといったら嘘になるでしょうが、こればかりは「世の中の流れ」だとか「僕がいる業界の流れ」だとか、大きな存在(?)が影響している部分も大きいので中小企業の一代表者があらがってもどうしようもないものです。


こんな時代は、「やるべきことさえやっていればいい」と考えています。


「やるべきこと」とは目先の仕事をきちんと行うこと、です。それが、周囲からの「頼まれごと」を徐々に増やし、結果的に「売上」だとか「利益」に結びついていくわけですからね。(「売上」があがっていく局面では、必ず「周囲からの頼まれごとが増えていく」という前兆がある、というのは僕の実感です。)


「売上が減少しないように必死に動く」というのは大事なことだと思います。


けど、その根底に「焦り」がないかどうかを見極めることが大事か、と。


その昔、僕の知り合いの会社が売上不振から営業担当を増員し、積極的に営業活動をしたことがありました。当初はそれなりの成果は出たようですが、無理な営業活動から不良債権をつくってしまい、結果的にはバランスシートを悪くしてしまった、と聞きました。


そう、こうしたご時勢はなかなか条件のいい仕事がマーケットに存在しているわけないですからね。ババを引く確率が高くなる時代、でもあるのです。


それよりも、いまよりいい時代に僕らが忙しさのあまり着手できなかった仕事がいくつもあるはずです。


「社員さんの教育」であったり、「物流や在庫管理の効率化」であったり、「営業体制の見直し」であったり、「長期的な経営のヴィジョンを見直す」であったり、「本を読んだり人と会ったり」であったり、「会社の資料を片付ける」であったり・・・・・


日々の仕事に忙殺されている時にはできなかったことがいくつもあるはずです。


僕はそんなことをきちんと行っていきながら、時代の風向きが変わるのを待つことが必要かな、というスタンスです。


当然、会社の売上が下がるということは会社のキャッシュフローが悪くなる、ということです。


で、どこまで悪くなったら危険水域か、という見極めが経営判断上必要になってきます。こればかりは、数々の経営指標を参考にしたり、税理士さんに聞いたりしてもわかりません。


経営者が今までにどれだけ「数字の皮膚感覚」を身につけてきたか、が大事になってきます。案外と、「焦り」の根本は「経営者の会社の数字に対する皮膚感覚の有無」によるものかな、など最近思ったりしています。


僕は「焦り」のようなものを感じたら、「事実確認」(会社の数字を細かく精査する)が一番、だという考えです。


単なる「焦り」なのか、それとも「事実」なのか


不安な時代にはこの二つがどうしても入り混じってしまいますからね。ここは要注意です。


追記
と、ブログを書いてた後、ドラッカー博士の新著(『経営者に贈る5つの質問』を読んでいたらこんな一節がでていました。


誰をも喜ばせることが大事なのではない。大事なことは、対象とする顧客を深く喜ばせることである。


新しいところを開拓するのであれば、すでにお付き合いのある方に何ができるのかをより追及した方がいいということですね。シンプルな言葉ですが、なかなか経営において実現できないことです。

February 27, 2009 | | Comments (2) | TrackBack (0)

2009.02.03

企業の「内部留保」について考える

企業は「内部留保」をつかって雇用をまもるべきだ、という意見があります。


確かに、企業にはいままでの活動を通じて得られた「内部留保」がある場合があります。


「内部留保」とはおおざっぱにいうと、「利益(売上から原価や経費を引く)」から「株主への配当」と「税金」を支払った残りの金額です。貸借対照表では、「利益剰余金」とかいわれるもののことだと僕は理解しています。


では、「内部留保」が個人でいうところの貯金のような性格のものかというとそうでもありません。「内部留保は現金であるとは限らない」-これは多くの企業が直面している現実、だと思います。


僕は会社をやって数年はこの辺がよく分かりませんでした。(実はいまでもよく???な部分があります)税理士さんが持ってこられる決算報告書には「利益剰余金」という項目があるのですが、そのお金がどこに存在しているのかどうもよく分からなかったんです。


そう、日々の企業活動の中で「利益剰余金」は在庫に変わったり、設備投資や仕入れのための資金になったり、広告宣伝費になっているんですね。利益があがると人手も経費も増えていくわけですから当然です。


さらにいうと、僕らは法人税を前払いしないといけません。具体的にいうと、決算から半年経過した時点で、前期利益の半分を納めないといけません。仮に、12月決算の会社で1千万円の利益があったとしたら、翌年の6月までに500万円を納めないといけません。


こうして、「利益剰余金」は「前払い法人税」となって形を変えていったりしてしまいます。売上がたっていないのに税金だけを前払いするのですから、翌年の売上が下がってしまっったりすると一気に現金は減っていってしまいます。


そんなことで「内部留保」はどんどんと現金でなくなっていってしまう性質をもっています。(だから、税金を払うために借金をする、なんて矛盾もでてきてしまうのでしょうね)


会社がいまままで貯めた内部留保で雇用を守る、という考え方は分からないでもありません。いい時代の時に「内部留保を手厚くして、将来に備える」みたいなことをいう経営者がいましたからね。


けど、内部留保=現金ではない、という現実も知っていただきたいと思います。


日本の会社システムの中で本当の意味での「内部留保」をつくっていくのは本当に大変だな、と僕は思います。


最近のテレビなどを見ていると「経営側VS雇用側」みたいな図式でステレオタイプに報道されていることが多いのが気になります。


それぞれが、それぞれの事情や立場を尊重し合うには、まずは現実を知ることが大事かと。「内部留保」という言葉がなんとなく独り歩きしているみたいなので僕の考えを書いてみました。


追記
決算書の「利益剰余金」はほんとうによくわかりません。最近はあまりよく分からないので、「決算書は税金を払うための計算書だ」と割り切って考えています。


中小企業の代表者が「利益剰余金がこれだけあるから経営が安定している」なんて考えていたら危険だと思います。利益剰余金=すぐに使える現金、ではないですからね。


中小企業の場合は代表者の肌感覚に勝る経理はない、と僕は考えています。決算の数字と肌感覚の数字には当然のことながら乖離が生じたりします。けど、肌感覚を信じることが大事か、と。


肌感覚が身についてくれば、数字が経営を語りかけてくるようになるか、と。そこまでいけたらいいですけどね。

February 3, 2009 | | Comments (0) | TrackBack (1)

2009.02.02

中小企業のブランド棄損を考える

数年前のこと。とあるマーケティング専門家のメールマガジンに登録しました。どこかで見かけた記事がとても面白かったので、何かしらのネタになればな、と。


最初はよかったんです。ずいぶんと勉強になりました。


けど、いつからか商品の売り込みがあからさまになってきたんです。


無論、僕だって広告の仕事をしてるのでメールマガジンの先には「売りたい商品だとか企画」があることくらいは想像つきます。で、「そういう売り込みがくるだろうな」くらいの気持ちでいくつものメルマガを登録しています。


なので、自分が考えている想定の範囲の中で売り込みがくるのであればいいんです。


けど、自分の想定が著しく超えた時、その専門家のブランド(僕にとっての、という意味です)はどんどんと棄損していきます。


僕は、その専門家が「メルマガを使って頻繁に売り込みをかけてくること」が想定外でした。あまりに回数が多いのでね。いいコンテンツを持っているのだからそんなに焦らないでいいじゃないの、と思いました。


あとは、「購入をあおるようなやり方を頻繁に使うこと」が想定外でした。「早くしないとバスに乗り遅れます」って感じの文面にとっても違和感を感じましたし、想定外でした。「えええ、こんなやり方をする人なのだな」と思いました。


マーケティングのセオリーからいうと、メルマガで商品や企画を次々と提案することは重要なことなのでしょし、人間心理の原則からいうと、「限定」だとか「期限を区切る」だとかで購入をあおることも有効なことなんでしょう。


けど、それって「営業活動を行っていくと、自分のブランドが棄損される(可能性がある)」って視点が全くないんですね。


中小企業のブランドは些細なことがらの積み重ねで形成されていきます。


メルマガやダイレクトメールで販売促進をかけるのはとても大事なことなのはいうまでもありません。けど、「この会社ってやりすぎじゃないの??」と思われたらせっかくのブランド(僕も初めはこの専門家はすごい、と思ってましたしね)も棄損してしまいます。


目先の利益にとらわれるあまりに、会社や個人にとって重要な無形資産である「ブランド」が棄損するのは本当にもったいない、と思います。


「ブランド」の恐ろしいところは、自らのブランドが棄損されていることを自らが気づきにくいことです。


クレームが原因で離れていく方は原因が比較的分かりやすい(クレーム、という目に見える行動がありますしね)ですが、ブランドが棄損されて離れていく方は静かに黙って距離をとっていきがちです。


僕はこの専門家のメルマガを今でもとっていますが、昔ほど真剣には読んでいませんしね。


追記
住宅の仕事をしていた時に、夜の時間にお客さんの家をアポなし訪問することがありました。これも今考えると完全にブランド棄損、ですね。


当時は、「誠意だとか頑張りを示す」みたいにいわれてましたけど・・・・。


確かに「誠意や頑張り」で購入を決断する方はいらっしゃると思います。けど、その成功の一方に存在している「こんな夜遅くに・・・って声なき人の声」を聞くセンスが必要かな、と。


こと住宅の場合、僕はトップセールスでも何でもなかったので偉そうなことはいえないかもしれませんけどね。

February 2, 2009 | | Comments (0) | TrackBack (0)