勉強と、タネ銭と
起業するにあたって必要なことの一つに、「タネ銭」をつくることがあるように思います。
自己資金、ですね。
タネ銭の作り方はひとそれぞれでしょう。僕は30歳まで貯金が全くなかった(むしろ会計的にはずっと赤字でした)ので「将来、会社をつくるという選択肢を念頭に置いておこう」と考えてからはタネ銭を貯めよう、と考えるようにしました。
お茶やジュースを安易に買わず、昼飯はなるべく金と時間のかからないものを食べ、夜の飲みはなるべくなくし、早寝を心がけるようにし、給料から「絶対に使わないお金」を別口座にしてタネ銭を貯めました。(目黒の露天で1本50円のネクタイを買って連れに呆れられたこともあったりします。)
当時、働いていた会社の上司に買い物をいいつかると100円弱の釣銭をいただきました。これは立派なタネ銭になりましたし、お客さんとの席でバカをやっていただいたチップ(いい時代でしたね)もタネ銭になりました。ぜんぶ貯金箱に入れました。
もちろん、タネ銭などを自分でつくらなくても最初から融資を受けたり、出資を受けたりはできるのかもしれません。
けど僕は、理屈抜きに「タネ銭をつくることは会社を興す上でのパスポートのようなものじゃないか」と思ったりしています。
そんな話がある席ででたら、「会社をつくるための勉強や人脈形成などにお金がかかりすぎて貯められない」という20代の起業家志望の方の話になりました。
確かにそうですね。
僕が参画している経営者向けのセミナーには将来独立したい、という人が何十万という身銭を切って何人も参加していますし、いい環境や講師で勉強やればそこそこのお金は飛んで行ってしまうでしょう。今は社会人の勉強が流行りのようですから参加するものは次々と生まれているでしょうし・・・。
けど、僕はあえて思うのです。
そんなのはタネ銭ができてからでいいんじゃないかしら、と。勉強だとか学びだとかを我慢してタネ銭をためる、ということが必要なんじゃないか、と。
「起業したい!」という人がタネ銭のないうちからお金の流出を許していると、それがたとえ勉強だとか人脈形成だとかいった会社経営にとって必要なことであっても個人としてのスタンスは脆弱なままになっちゃうんじゃないかしら。
本を読んだり、人と会ったり、勉強したりは起業する上で不可欠なことなのかもしれませんが、そんなに焦らなくたっていつからでもスタートできることばかりですからね。
僕はそれよりも、「1本のジュースを我慢する」とか「車に乗らずに隣の駅まで歩く」とか「休日にアルバイトをして稼ぐ」とかしてひたすらにタネ銭をためる方が重要だと思います。
自分でつくったタネ銭は必ずや「事業の呼び水」になるでしょうからね。
July 23, 2009 | Permalink
Comments