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2009.09.29

経営者だからといって「人を見る目」があるものだろうか

1ヶ月前くらいの、ある飲みの席での話です。


「大塚さんは会社やってるんだから『人を見る目』があるよね?」


「なんでそう思うの?? 「会社やってる=人を見る目がある」ってイコールになるのがよくわからないのだけど•••」

「でも、いろんな人と接する事が多い仕事でしょ?」


「それは確かにそうかもしれない。けど、接客業したり営業の現場でバリバリやってる人の方が知り合う人の絶対量は多いと思うよ。」


「でも、会社の代表者って人事のようなこともやるでしょ?」


「確かに。けど、何回も面接やって入社した社員さんが数ヶ月で辞めたりすることもあるしね。人を見る目、ってのがあったらそんなことはないっしょ?」


「でも,『人を見る目』がないと会社なんてしていけないでしょ?取引先だって完全に信用できる会社ばかりじゃないかもしれないし、儲け話みたいなもので騙されたりする、なんて話もあるし•••」


「確かに『こりゃ騙されたな』ってことは何回かあるわ。けど、たいがいは自分がどこか鈍感になってたり、抜けてたり、欲が出たりって理由もあるしね。まあ、しょうがないなと反省して、次に活かすしかないっしょ。致命的な形で騙されないように注意してね。だからといって、それが自分の『人を見る目』がなかったからだとも思わないんだよね」


うんたらかんたら••••


「あの人は見る目がある」なんて、ごくごく普通にいわれます。で、実際にそういう人はいると思います。


「どーしてあの人を•••?」なんて人材をスカウトして参謀として活躍させている経営者が僕の知り合いにいます。僕にはその方を選ぶ理由がさっぱりわかりませんでしたが、その方なりの「見る目」があったんでしょうね。


けど、その方の凄いところは「人を見る目がある」なんて(恐らく)ご自分で思っていないところです。


「結局は仕事を一緒にやっていく俺と合うか合わないか。お互いの不足分をカバーでき合うか出来合わないか。会社が困った時に相談できるかどうか。で、お金が続かなくなった時に自分の私財をなげうって彼のことをかばえるかどうか。それしか考えていない」といっていました。


彼を見る,という前に「彼との付き合いの中で自分はどうなのか?」ということに重きを置いて自問したんでしょうね。


僕らはどーしても経験値が高まると経験則から物を考えたりしたくなります。「人を見る目」なんてのもそうしたことのひとつでしょう。だから「いろんな人と知り合う社長=人を見る目がある」なんて思われるんでしょうし。


けど、人はいろんな側面があったりするわけです。


「第三者が知っている自分」「第三者が知らない自分」「自分自身でさえしらない自分」が複雑にからみあって存在してるわけです。更には「自分は知ってるけど、押さえ込みたい自分」だとか「第三者にいわれて何となくふるまっているけど、実際はそうでない自分」みたいなものも存在するわけです。


それを「人を見る目がある」ということで自分なりのフィルターをつけてみる事は,どーなんでしょうね。


「その人がどういう人か?」と考える事は経営をしていれば確かに大事なことかもしれません。けど、それ以上に、それに執着しすぎないことも大事かな、と。時には自分で否定することも大事かな、と。

September 29, 2009 |

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