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2010.09.10

「経営の効率」について考える

「在庫を持たずに商売する」


「人材を抱えず、外注を上手く使って軽い本社にする」


10年ほど前の経済誌を整理していたら、こんな記事があったのを見つけました。

インターネットの可能性がさまざまにいわれていた頃の話。「ネット活用によって企業経営が効率化する」といったひとつの幻想があった時代ですね。


で、多くの人が「効率化した経営」に突っ込んでいきました。人を採用せず、外注に仕事を任せ、在庫も実店舗も持たず・・・


それらが、戦略的に打った打ち手であれば問題はないでしょう。


けど、最初から「月々のコストがかからない」だとか「ビジネスとしてやっていくのが容易」といった「効率」を目指していての打ち手であったなら本末転倒、今の経営環境は厳しいだろうと思います。


「効率化」は誰もが望むパラダイスであり、そこには多くの人の行列ができます。で、人の行列はごくごく自然に競争を生み出します。


その結果、「効率化を目指したが故に競争に巻き込まれる」という皮肉な事態が至るところで起きています。


「効率化」の本質は、「もともと非効率なものを効率的にやっていく」の意味だと思います。


効率的な経営をしているといわれるトヨタ自動車さんは、有名な「カイゼン活動」を通じて非効率なものを効率的にしていく智慧が優れているのであって、はなから「効率的なもの」につっこんでいるわけではないのかな、と。


「非効率」と思われることを「効率的にしていく」プロセスが経営において大事なことの一つであって、これが企業間競争の源泉となっていくのだと思います。


自身を振り返ると、「効率」の幻想(?)にさいなまれながらも人を増やしたり、在庫を積み上げたり、業務を内製化してきてよかったと思います。


けど一方で、「効率的」の幻想に負けて(?)もうちょっと思い切った打ち手を打てなかった、と思うことも場面場面であったりするわけです。


経営は「相反する二つの概念を統合するアート」という側面があると思いますが、「効率」と「非効率」の統合をいかにうまくできるかは僕らが永遠に直面する課題なのかもしれません。


ゆめゆめ「効率」にだけ突っ込むことのないようにしたいな、と。

September 10, 2010 |

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