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2010.11.02

同質化、という落とし穴

今から14年前の今頃、僕はバンコクに旅立ちました。26歳の秋ですね。


タイのドンムアン空港に降り立った時の全身にまとわりつくような湿気と香辛料のような空気の香り。一気に「異国にきたんだなあ~」と旅行者スイッチが入りました。



今日から誰にも束縛されずに、右(ベトナムやラオス)に行こうが左(インドやネパール)にいこうが下(マレーシアやシンガポール)に行こうが自由なんだ、と思うと得もいわれぬ開放感を味わいました。


今までの人生で一番いい瞬間のひとつだったかもしれないですね。


将来のことを考えると不安でなくはなかったです。けど、「人と同じことをしていてもダメなんでは・・・」という予感(?)のようなものは強く感じてもいました。


同じような能力の人が同じような仕事をして同じように頭を使って・・・・それを続けていったら将来はどう考えても周囲と「同質化」せざるを得ません。


「周囲と同質化する」ということは自分の価値がその他大勢と一緒ということを意味します。


ビジネス誌などでは「オンリーワンの価値をつくる」などと特集されたりしますが、そもそもビジネス誌を読んで行動を起こすこと自体が「オンリーワンの価値」とは対極にある、という事実に気がつかないといけません。


日本の社会で生きていくにはある程度の同質化せざるを得ない部分はあるでしょう。


けど、どうしてもどこかでそれを拒否したい・・・・まあ、モラトリアム的な発想かもしれませんが当時の僕はそんなことを考えていたように思います。そんな中で、「旅に出る」という作業は低コストかつ低リスクで「同質化からの逃避」をする手段だったのかな、と。


今、仕事をしていく中で大切にしたいのもこの「同質化からの逃避」です。


旅にでた26歳には「26歳なりの同質化への陥穽(落とし穴)」がありますし、今の仕事には今の仕事なりの「同質化への陥穽」があります。それに陥らないことは大事だと思います。


今、中小企業の海外進出が声高にいわれています。


「日本人の消費マーケットが縮小している」、「中国やインドの景気がよい」、「ネット活用により言語障壁がなくなりつつある」などと聞くと、「おっ!チャンスじゃないか」と思わない経営者の方が少ないと思います。(むろん、自社の商売や商材にもよりますけど)


けど、そこに「同質化の陥穽」がないかを自分のフィルターに通すことは大事です。


同質化の本質は「競合がたくさんいる」ということですし、「自分オリジナルの価値を生み出しにくい」ですからね。


同質化の逆を行くのは勇気がいることですし、チャンスや利益を逃すリスクを負う(かもしれない)、ということでもあります。


けど、世の中が同質化に向かいやすい時代だからこそ、「同質化から意図的に離れる戦略」を持つことは大事なのか、と。

November 2, 2010 |

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