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2011.05.11

海外マーケットはすべての社長に門戸が開かれているのだろうか?

「日本は成熟化社会を迎えた。さらには、人口の減少や震災の影響などで今後のマーケットとして考えると難しい」


という認識が仮にある経営者にあったとします。


その認識から、「では、成長をしている中国やインドのマーケットに進出を果たそう」という打ち手を考えたとします。

ここ数年で進出をサポートする情報はいっぱい増えてきた、成功事例も見受けられるようになった。中国は高い経済成長をしているようだし、すでにマクロな指標では日本を凌駕しているものもたくさんある・・・


一見すると、打ち手としては素晴らしいものに思えてくる・・・。


著名な某コンサルタントは「今、日本にしがみつく理由があるのか・・」とさかんに語ってるし、今のうちに手をつけておかないと先駆者利益がとれないんじゃないか、という心配もあったりする・・・


といった感じですね。


けど、海外進出なんてそうそう誰もができることなのかしら??というのが僕の考え方です。


そもそも、「日本語の通じない社会」で、「日本とは異なった商慣習がある国」で、「背景となる文化圏が異なった方と一緒に仕事をすることのむずかしさ」があります。


更には、資金や人材といった兵站線が延びます。日本の市場を守りながら進出するとなると、その分の人材や資金の手当て必要となってきます。


これをクリアーするには、経営者としてかなりの技量が高い部類の方でないと難しいのでは、と思います。


規制緩和の流れを受けて、会社の社長になることはそんなに難しくない時代が数年前に訪れました。で、多くの社長が世に排出されました。


けど、よく考えれば分かることなのですが、「誰しもが認める超一流のプロ」なんて社長はほとんどいません。


野球にたとえると、イチロー選手のような「メジャーでも通用するプロの中のプロ」といった野球人の存在は稀有です。


「将来を嘱望されたがなかなか結果がでないプロ」がいれば、「ようやく二軍クラスのプロ」もいます。さらには、「アマチュアで全国大会優勝したもののプロに入れなかった野球人」がいたり、「アマチュアの県大会で予選突破がやっと」、「アマチュアでも補欠」・・・といった具合に多くの「野球人」がいます。


「海外進出」をチャンスだとして機会を活用できる社長というのは、


まずは、「プロとして日本で成果を上げている」。そして「その本業が今現在の日本でうまくいっている」。更には、「投資総額及び赤字期間をトップ判断で決められ」、更には「失敗した際の撤退判断がしがらみなくできる」・・・・


そんな人にしか門戸は開かれていないような気が個人的にはしています。


「このままじゃまずい、ジリ貧だ」だとか「このままだと乗り遅れる」という思考パターンとは対極にある考え方ですね。


現実逃避の形としての海外進出だけにはゆめゆめ足をすくわれないようにしたいな、と。


日本のマーケットを取り巻く環境は、確かに悲観的要素が多いかもしれません。


けど、「日本のマーケットは悲観的要素が多い」=「自社に悲観的要素が多い」とは限りませんからね。ここはきちっと別問題として認識し、社長としての自らの分の中で何ができるかを考えていきたいものです。

May 11, 2011 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2011.05.10

「知る」ことと「行う」ことと

陽明学に「知行合一」という教えがあります。


「知ることと行うことは同一させる必要がある」ということで、幕末の志士の思想に大きな影響を与えたそうです。

東日本大地震をめぐり、僕らはいろんな情報やニュースに接しました。知識としてさまざまなことを「知」りました。


しかしながら、感情的に、衝動的にならずにそれをたんたんと「行い」に結びつけるのは難しいなあ、と思いました。


僕はある時点からおおまかな情報のルートをいくつかに絞りました。一つは新聞。もうひとつは、株価と円の動き。


東京電力の会見や、識者のブログやツイッターが、気にならなかったわけではありません。というか、逆にどこかに「自分が知らない情報があって、自分はそれにアクセスしていないのでは・・・・」という思いがあったりしました。


けど、それって「どこかには自分の知らない魔法の答えがある」と思いながら次々とビジネス書を読みあさるビジネスマンにもどこか似ているような・・。


ふんだんに情報がある社会を生きる中では、自分の天命に早く気がついて、それに照らし合わせて情報を割り切ることも重要かな、と思います。こうした胆をつくるのが学問なのかな、と。


人間はそんなにいろいろなことをやって全てをうまくこなせるほど器用ではない、と思いますのでね。


追記
「知行合一」とは、「知る」「行う」といった本来は二律背反することを統合することだ、という意味もあるようですね。いずれにしても、「知る」ことと「行う」ことをセットにして考えていたセンスが素晴らしいですし、見習いたいところです。

May 10, 2011 | | Comments (0) | TrackBack (0)