« 元巨人•江川卓さんについて | Main | 今日は賞与の支給日です »

2011.12.21

怒りについて

20111221

知り合いから勧められてローマの哲学者•セネカの『怒りについて』を読みました。


2,000年もの前に書かれた本ですが、「怒り」という破壊的な情念についての分析は今の時代でもまったく色あせないテーマです。



「ストレスが溜まる」と僕らはごく普通に口にしますが、心の奥底を除くとその根底には「未解消な怒りの存在」があったりします。


「周囲が思い通りにならない苛立たしさ」だとか「予定通りに物事が進まないもどかしさ」だとか「受け取れると思っていたことが受け取れない無念さ」だとか•••


それらが、「怒り」となって心のあるスペースに存在しはじめます。


で、その「怒り」をうまく消化してしまえばいいのでしょうが、「怒り」の絶対的な熱量(?)が高かったり、消化する技術がなかったりすると「未解消な怒り」となって僕らの心に沈殿するようです。


で、「怒り」そのものが、感情の主体であるはずの人間をコントロールし始める、ということが起きたりしてしまいます。


セネカはこういいます。


「怒りとは、不正に対して復讐することの欲望である。」「害を加えたか、害を加えようと欲した者を害することへの心の激情である」(P91)


で、「まるで永遠に生きるために生まれたかのように、怒りを宣言し、束の間の人生を霧消させて、何が楽しいのか。気高い喜びに費やすことが許されている日を他人の苦痛と呵責へ移して、何が楽しいのか。君の財産には損失の余地はなく、むだにできる時間はない」(P261)とまとめます。


この本には「怒り」に支配された生き方をしないための、工夫や考え方がちりばめられています。


「他人のものを眺めると、誰でも自分のものが気に入らなくなる。(中略)とにかく人間のずうずうしさは限度を知らない。たとえどれほど多くをもらっていても、もっともらえるはずだった、というのが不正の理由になるほどである。」(P246)


「あなたの最大のあやまちは何だと尋ねるのか。間違った評価計算をしていることだ。あなたはあげたものを高く、もらったものを安く値踏みしている。」(P247)


「怒り」の根底にある、「欲」と「高い自己評価」。


「怒り」って情念から自分自身を遠ざけるためには、「怒り」から冷静に時間を置くことと、自分自身の「欲」や「高い自己評価」に思いを馳せるだけの心のスペースを保っておくことなのかもしれないな、と。


「怒りの特性は頑固さ」(P104)なので、「頑固な自分が必要以上にでてきた時は『怒り』のサイン」なのかもしれないな、と。


人間の知性ってのは素晴らしい。そんなことを感じさせる一冊です。

December 21, 2011 |

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 怒りについて:

Comments

Post a comment