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2012.01.26

「本当にそうなの?」が口にしにくい背景にあるもの

2012

『反•幸福論』(佐伯啓思•新潮新書)


「ルサンチマン」(強者に対しての憤りや怨恨、憎悪などの感情)って感情があります。


根底には「嫉妬や羨望」、「無力感からの脱出欲求」がありますが、これに取り憑かれるとその欲をさまざまな形で防御しながら、ぶつけていきます。


仮想の敵をつくりあげ、その敵を「悪」と定義することで、その対比としての自分は「自絶対に正しい」って自己の正統性を主張すること。


こんなのが典型的な防御の形でしょうかね。


で、困るのは「絶対に正しい」がイデオロギー化することと、「仮想の敵」の「悪」がどんどんと拡大解釈されていくこと。


「政治家は私利私欲だけを追求している」だとか「官僚は国民の幸福をまったく考えていない」だとか「企業は完全にわれわれをないがしろにしている」だとかですね。


「自分は弱者」って前提に、「正義」と「イデオロギー」がほどこされているので「本当にそうかよ? 極論すぎない?」って口をはさむこともできにくい。


この本の「第9章 民主党、この『逆立ちした権力欲』」はこの辺の著者の考え方がうまくまとめられていて素晴らしかったです。


著者はいいます。


ルサンチマンを持つことが問題なのではなく、それに居直って自己正当化することが問題なのです(P247)


「居直って」ってのはいい表現ですね。


「自己正当化」に向けるエネルギーを、仕事や勉強にでも向けたらすごい成果になると思うんだけど、そこには「居直り」することで感じる心地よさみたいなものもあるんでしょう。

January 26, 2012 |

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