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2012.03.09

世界は物語のように親切に説明してくれない

2012

主人公は生活苦の老齢女性。ヘルパーの仕事をしながら、孫と二人で暮らしている。


「詩を書きたい」と学校で学ぶ主人公が、「孫が起こした事件に巻き込まれる」ことを軸に物語は展開していく。


で、多くのことが語られずに物語が進んでいく。


「なぜ、孫と二人暮らしなのか?」、「娘との関係性は?」、「事件を起こした孫に対しどんな葛藤があるのか?」、「楽ではない日常にどんな思いで生きているのか?」•••


すべてのことが語られずにすぎていく。


で、語られないことに対してイライラしてくる自分を感じてしまう。主人公の心の葛藤を音楽や表情で分かりやすい形で表現してくれる映画に慣れてしまっている自分に気がつく。


けど、「世界は物語のように親切に説明してくれない」のだ。


実はこの一文、作家•沢木耕太郎さんが書いたこの映画の論評で、映画館の入り口に貼ってあったもの。

20120

自分にとっては「主人公の心の内面を想像する映画」にしかすぎなかったこの映画が、この一文のおかげでまったく違う映画に見えました。


「世界は物語のように親切に説明をしてくれない」


素晴らしい解説です。


こうした解説そのものが「親切に説明」なのでしょう。


「親切に説明」はそれを求めすぎると「思考省略って毒」にもなります。


一方で、自分の中でモヤモヤしたことを整理するために「思考の補助線」にもなります。「思考の補助線」から次の思考が生まれたりしていきます。


要は付き合い方、なのでしょう。そんなことを考えさせられた映画でした。


DVDでたらもう一回観ないとな。

March 9, 2012 |

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