« 自分の人生に影響を与えた10人 | Main | 立場や男らしさ、というとらわれ »

2012.07.23

美しい祈り

1


2

「ビルマ(ミャンマー)を観光しても軍事政権にお金が落ちるだけなので、観光は自粛してください」


軍事政権から軟禁状態に置かれていたアウンサンスーチーさんがこんな声明を出した1997年当時、何の問題意識もなかった自分はビルマを1ヶ月旅していました。


この年は「ミャンマー(ビルマ)観光年」。観光客の誘致に軍事政権が一生懸命だったんですね。


数年前までは、首都・ラングーン(ヤンゴン)のスーチー宅前で定期的に演説会が開かれていたようですが、当時は近くの道路が封鎖されてスーチーさんの家に近づく事は一切できませんでした。


街中でスーチーさんの話をするのも一切タブー。市役所の前には戦車が止まっているし、いたるところにミリタリーはいるし、軍事政権ってものを肌で感じました。


国民的な人気があったスーチーさんが民主化を進めてしまわないだろうか、という猜疑心が軍事政権をして十数年に渡りスーチーさん軟禁という選択肢をとらせたようですね。


この映画、この軟禁状態にあったスーチーさんと、その家族をとりまくストーリーです。「私人としての自分と、公人としての自分との葛藤」が描かれています。


政治家スーチーさんに関して、自分はよく分かりません。


その昔、スーチーさんにインタビューしたというジャーナリストと話をした時に「スーチーさんには政治的な信条がほとんどなかった」みたいな話をきいたこともあるので、もしかしたら人気優先の政治家なのかもしれません。


けど、自分はこの人が好きなんですね。キリリとした表情に女性としての強さを感じるし、さりとて慈愛の心をもっていそうな雰囲気がある。


けど、一番の要因はスーチーさんの「祈りの姿」がさまになるから。


ミャンマーは敬虔な仏教国です。お坊さんや、国民に対してスーチーさんはたびたび手を合わせて祈りをささげます。この「祈りの姿」がこれほどまでにさまになる女性、政治家は他にいませんね。


この映画、音楽と映像はよかったですが、ストーリーとしてはいまひとつ物足りなさを感じました。


しかしながら、もっともベストなタイミングで「祈りの姿」がでてきます。


「祈り」って言語不要な世界ですよね。


「祈り」が美しくみえるのは、言語ばかりが飛び交っている(=言語で何とかできると思っている)今の政治や社会に対しての対比からでしょうかね。


「アウンサンスーチーって名前は知っているけど、何をしている人かよく分からない」って人にはぜひ足を運んでいただきたい映画ですね。

July 23, 2012 |

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 美しい祈り:

Comments

Post a comment