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2013.05.08

モチベーションって言葉って一人歩きしてないか?

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いまの事務所に引っ越す前、飯田橋に会社があった時の話。


事務所の近くにご夫婦できりもりしている小さなトンカツ屋があったんです。


ご主人がカウンターのお客さんにトンカツを出す時に、指を一本出して「これは一番のトンカツだ」みたいな感じで無言で念を込めるようなしぐさをするんです。


自分のつくったトンカツに絶対の自信があるんでしょう。


で、お店が終わると店内を綺麗に片付ける。調理用具がカウンターの中に整然とある一定の秩序の元に置いてあるのが店の外からよく見えるのです。


自分は、「職人」という言葉を聞くとあのトンカツ屋を思い出すのです。


さて、このご主人に「仕事でモチベーションがあがらない時はどうしますか?」と聞いたらなんて答えるでしょうかね?


まあ、話をしたこともないので類推するしかないのですが、おそらく「モチベーションなんて考えたこともない」っていうんじゃないでしょうかね?


人間ですから体調が悪い時も、気が乗らない時も、心配事があって気が落ち着かないときもあるでしょう。


でも、「モチベーション」って言葉でひとくくりする感性がないと思うのです。


だって、自分が動かなければお店が開けないわけですからね。たんたんと店を開いていかないといけないわけです。


さて、どこかに書いたかもしれませんが自分はこの「モチベーション」って言葉が嫌いです。


この本にも書いてありますが、「モチベーション」って言葉は非常に消費行動的なんです。


人間は内発的動機(好奇心や関心ごとによってもたらされる動機づけ)で自分の時間の全てを満たせれば理想なわけです。


けど、それは理想世界なわけです。


で、どこか頭のいい人がその理想ってのを消費行動と結びつけたわけです。


モチベーションを高めるには、内発的動機が満たされる仕事をしないといけないですよね•••といって、転職市場や資格市場や能力開発市場がどんどんとでてきたわけです。


まあ、そういう市場がでてきたのはいいのですが、「モチベーション」という言葉が一人歩きしているわけですね。


「モチベーションがあがっているからうんだらかんだら」だとか「モチベーションをあげるためにうんだらかんだら」だとか•••


労働とは目の前にあることに真面目に取り組むことがまず基本となろう。そうした点をなおざりにしたまま、仕事にやりがいや喜びを見出すとか、仕事を通して自己実現を図るといったことを目指すことに問題はないのだろうか(P137)


この本が指摘していることは、まさにその通りだと思います。


毎日、毎日、きちんとやることをやる。その先には習慣って世界が開けているわけです。


で、その習慣って世界を持つ人をみる人によっては「モチベーションが高い」と見えるってだけなんだと思いますよ。


たぶん、それは決して派手な世界観ではないのですよ。

May 8, 2013 in 人間の美意識について言葉について |

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Comments

青タンさん>コメントありがとうございます!

人間は忘れる存在ですから、このブログをみて何かを思い出していただけたらありがたいです。

ガネーシャ、だいぶはまってますねえ(笑)

Posted by: 大塚和彦 | May 10, 2013, 11:23:02 AM

ちょっとこの話読んでいて「夢をかなえるゾウ」の話を連想しました。ガネーシャの話ね。

最近さぼり気味なので、早速今日は、机拭きから一日を始めました。

今日、帰ったら靴も磨くことにします。

Posted by: 青タン | May 8, 2013, 8:39:13 AM

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