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2013.05.16

悩むことの豊かさ

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「問題と解決とはワンセット」


おそらく、多くの働く人はそう思っています。だから、仕事で問題が発生すると「解決」というスイッチが入ります。


で、その「解決」の能力が高い人は一般的には「できる人」と言われます。


でも、「世の中にはすぐに解決できない問題」があるって現実もあります。問題解決って思考を刷り込まれた自分らは、その手の問題を前にしても「解決」ってスイッチを無意識にいれてしまいがち。


で、そこから無力感やら不全感が生まれたりします。


こういう時は、たぶんなのですが「問題を抱えている私」を存分に味わうのがベストなのです。それはそれは、いやーな感覚なのでしょうが。


でも不思議なことなのですが、きちっといやーな感覚を味わっていると問題そのものの見え方が変わったりします。で、時に自然と解決してしまったりします。


この本は、北海道にある「べてるの家」という精神障害などを抱えた方の活動拠点について書かれた本です。


「治療しない」「管理をしない」「弱さを認め合う」「話し合う」「ぶつかりあう」という中で、それぞれが自分の生き方を見出していくらしいですね。


「私たちは、生活を便利にしたり豊かにしたり、自分にないものを身につけたりいろいろ努力しているが、そういうこととは無関係に、生きることに悩みあげくという力が与えられている。


そういうことを忘れている。生きる苦労とか生きる大変さをすべてとりさって、軽くなって楽に生きたい、そういう潔癖願望が病気のように蔓延しているように思います。」(P140)


ケースワーカーの方がこう語っていたのが印象的でした。


目先の問題を安易に解決せず、深く深くほりさげる


それは、「なぜなんだろう?」「どうしてなんだろう?」という自分自身への問いかけに身体や心が揺さぶられる世界のはじまり。


そのプロセスで問題を違った観点からみられるようになったり、普段は自己開示しない人があまりのつらさに周囲に相談するようになったり、「これは受け止めるしかないだろうな」と諦めの心境になったり•••


そこから「肚に落ちる」って感覚や、「問題が問題でなくなって」って意識がうまれたりすることがあるわけです。


自分らはこの「揺さぶられた状態」ってのが嫌いな生き物。脳みその絶対使命は「私の安定、私の安全」ですからしょうがありません。


だから、極端な話だと「問題解決って形をとった現実逃避」に走ったりするわけです。「問題解決する私」でいることで、「揺さぶられた状態」から逃げようとするわけです。


「揺さぶられた自分」ってのを持てるってのは、たぶんその人間が持つ本質的な力なんです。そこは、渦中にいるとしんどいですが、あとからみると豊穣な時間であることに気がつくといった世界観なのでしょう。

May 16, 2013 in 人間が悩むということ, 観た映画、読んだ本、行ったイベント |

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