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2014.02.13

それ、もしかすると空手?に憧れて

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「それ、もしかすると空手?」


単身で四国に乗り込み、極真空手を広めていった芦原英幸氏(享年51歳)が道場破りをする時に放ったとされる名言です。


空手家に向かって「それって空手?」と言い放つのですから、これ以上ない皮肉ですね。


40〜50代の格闘技ファン(「元」も含む)に、「子供の頃に影響を受けた格闘家は誰?」という酔狂なアンケートをしたとすると、おそらくトップ3に芦原氏は入るんじゃないかしら?


「芦原英幸氏に影響を受けた」という人はいうまでもなく、「芦原英幸氏に影響を受けた人に影響を受けた」という人まで含めると格闘技界で氏のDNAから全く無縁な人はいないんじゃないか、とさえ思うわけです。


先週、芦原英幸氏ゆかりの土地を訪ねて四国にいきました。


自分自身のうちなる子供(インナーチャイルド)が喜んでいる感じがしました。そして、40を越えたおっちゃんである自分も狂喜乱舞でした(笑)


そう、われわれは子供の頃はもちろん、大人になってもどこかでヒーローを求めているんです。


理屈抜きに尊敬できたり、理屈抜きにリスペクトできたり、理屈抜きに「あの人はスゲエ」っていえる


無意識は、いくつになってもどこかでそんな人を求めているんです。


芦原英幸氏には「どうせ劇画の中で創られた存在じゃないか」だとか「劇画はフィクションだらけだ」という指摘をする人もいます。


たしかにそういうことは事実としてあったんでしょう。


けど、そんなのはどうでもいいことなんです。


フィクションとして誇張して描かれていようが、元となる存在が輝いていないとフィクションもフィクションたりえないですからね。


世の中に、「あの人は確かにスゴいけど、○○に問題がある」みたいに、どこか「尊敬する人」に完璧性を求める風潮ってありませんかね?


どこか「スゲエって人をスゲエって素直にいえない」風潮ってありませんかね?


自分は、「スゲエって人」がいない人生はどこか彩りにかけているような気がしてならないのです。無機質というか、孤独というか、いきがっているというか・・・


「スゲエ」があるから人は恐いものの恐さを知れるんです。「スゲエ」があるから自分自身に対する全能感と距離をおけるんです。「スゲエ」があるから増長するエゴにブレーキがかけられるです。


「スゲエ人」をスゲエと感じられる感性を


「スゲエ人」の良い部分に目を向けていくセンスを


どうか持ちたいものですね。人はいくつになっても「スゲエ人」と巡り会えるものでしょうし。


追記
芦原空手発祥の地である八幡浜。潮の香りがする漁村をイメージしていましたが、まったく違いましたね。旧道場の裏にある神社は、映画『史上最強のカラテ』にでてきた神社だ、と直感的に思いました。


あの場所で芦原、添野、山崎といった猛者が稽古をしていたと思うだけで感無量でした。この話で酒を飲める格闘技マニアって案外と多いと思うのだけど(笑)


February 13, 2014 in 尊敬する人、または師匠筋, 格闘技について |

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Comments

青タンさん>コメントありがとうございます!ホッジにオコナーですか。いいところついてますね。でも全日系ですね。自分の専門外だ(笑)

ホッジもオコナーもどことなく地味じゃないですか?スゴい実力はあったんでしょうが。

僕の中ではやっぱゴッチなのですよね。

オリンピックの金メダリストが1分で負けた、だとか。世界チャンピオンを控え室で恫喝した、だとか。実力はピカイチ。

誰もが認めているけど、処世術がいまひとつという不器用さ。新日本プロレスの旗揚げに来日するような心意気。こんどこの辺をネタにして酒でもしばきましょう!

Posted by: 大塚和彦 | Feb 17, 2014 6:54:48 AM

二宮は二宮じゃないさん>コメントありがとうございます!また、イカしたお名前をありがとうございます。

ワタクシ、二宮城光別人説は大人になってから知りましたよ。

格闘技界って一種の共同幻想の上に成り立っている業界ですからね。それを自覚して見ているから面白いのですが、たまにバーチャルと現実とが入り交じってしまう。

梶原一騎さんの「バーチャルに現実を従わせる」というやり方にだいぶ僕らはやられましたよね(笑)

野球界(『巨人の星』)では格闘技界ほどバーチャルをやりきらなかったのは、野球界へのリスペクトか、既得権益の強さによるものなのか、格闘技界はオレが創っているという自負からか・・・

Posted by: 大塚和彦 | Feb 17, 2014 6:49:28 AM

それ、もしかしてKI○CKさん>コメントありがとうございます&道中お疲れさまでした!

八幡浜ちゃんぽん。確かに忘れてました!二番町のイカした居酒屋の再訪を兼ねてまたぜひ企画しましょう!

帰京してからというものの、四国の空手家が行ったといわれる山中合宿の舞台がどこなのか?が非常に気になっています(笑)

Posted by: 大塚和彦 | Feb 17, 2014 6:42:14 AM

筆者の関係者さん>コメントありがとうございます!塩メシ、涙メシのお店の所在確認はできませんでしたが、八幡浜の食堂のおばちゃんはお金のない空手家に対して劇画のような邪険な態度はしないと思いましたよ。

これまた、梶原ワールドの一つなんでしょう。

Posted by: 大塚和彦 | Feb 17, 2014 6:37:55 AM

もちろん、芦原さん知ってますが、僕の中では、同じ存在がパット・オコナーです。

ジャンボ鶴田がかなり強くなっていた時代、稽古をつけられてる試合内容に、子供心に「唖然」としました。


ちょっと、玄人っぽくなりますが、プロレス界では、ダニーホッジとパット・オコナーあたりが、芦原さんに近い存在ですかねwink

Posted by: 青タン | Feb 16, 2014 10:31:48 PM

伝説か?虚構か?

人により意見はさまざまでしょう。虚構が蔓延する格闘技界でファンはどこかに伝説を求めているのかもしれないですね。

それほどまでに、失望することの多い業界という証拠ということか。

Posted by: 二宮は二宮じゃない | Feb 14, 2014 6:17:55 PM

八幡浜ちゃんぽん食べるの忘れましたね。

Posted by: それ、もしかしてKI○CK? | Feb 14, 2014 12:59:12 PM

呼んだ? 塩メシ、涙メシを出してくれてた食堂は見つかったの?

Posted by: 筆者の関係者 | Feb 14, 2014 7:20:51 AM

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