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2020.04.15

変わっていく中で、変わらないもの

「これから時代は大きく変わっていく・・」

 

最近、そこかしこで聞くフレーズです。新型コロナウィルス感染症によって、「社会のあり方」や「人々の価値観」が変わっていくということですね。

確かに、大きく変わっていくことでしょう。でもよくよく考えてみると、この手の時代認識は、ごくごく普通の中学生でも口にできる意見なわけです。

未来予測学者と呼ばれたドラッカー博士のように、専門家がさまざまな事実に基づいて時代を予測をするならともかく、自分(及び、その周辺)の生活感あふれる肌感覚からの意見にはわたしは正直まったく興味がありませんね。

 

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※経営学者ドラッカー博士の未来予測の本です。いま、リモートワーク期間に再読中。

 

逆に「いままでは時代がゆっくりとしか変わらないと思っていたのかね・・・?」なんて思うわけです。

「これから時代は大きく変わっていく」なんてのは、資本主義の社会であればいつの時代にも通用する普遍的な概念(?)です。だって、日々刻々と変化をしていく人々の欲求や価値観を満たすのが資本主義ですから。「変わる」のが日常であって、「変わらない」なんてのはありえないわけです。

さてこんな時代に、起業家はどんな立ち位置にいたらいいのでしょうかね?

これは、わたしの先生の受け売りになりますが、「大きな変化の中でも、変わらないものは何か?」にフォーカスすることかと思います。

本日現在、私の住んでいる東京都ではライフライン(水道や電気、ガス)は普通に稼働しています。携帯電話もインターネット環境もそのままです。本数は少なくなっているのかもしれませんが、電車は動いていますし、営業時間は短縮されたとはいえ飲食店もオープンしています。

これ、変わらないものですよね。普段はあまり意識していませんが、「私たちがビジネスをすることを支えてくれているもの」です。

もうちょっとミクロな視点でいうと、当社で主催する講座の多くは延期や中止になりました。これは、変わってしまったものですよね。

けど、インターネットでのカード販売数はそんなに変わっていないようです。そして、宅配便・郵便はストップしていないので、流通についてはまったく変わっていません。

カードを卸してくれる国外・国内の会社は多くが営業を制限しているようです。けど、ウィルスの事態がおさまったら変わらずに取引がスタートすると思います。

カードの印刷をしてくれる会社は時短をして変わらずに営業しているようです。HP制作でお世話になっている会社はリモートワークでの通常営業にシフトしました。

海外取引をサポートしてくださっている会社はもともとリモートワークをしていますし、会社の数字を見てもらっている会社も変わらずにやりとりがあります。

・・・そう見ていくと、「変わらないもの」の豊かさに驚くわけです。

大きな変化の時には、どうしても「変わるもの」に目が向きがちです。人間は変化が好きではないですから、「自分に苦痛をもたらすものを遠ざけたい」というマインドが動き始めるのでしょう。

けど、「変わるもの」の本質は「不確かなもの」です。そうなるかもしれませんし、そうならないかもしれません。

一方で、「変わっていないもの」の本質は、「今の現実・事実」です。いま、目の前で実際に起きていることがらです。

起業家の役割は、「今の現実・事実」を直視して、それを踏まえた「打ち手」(ビジネスの計画)を考え、実行していくことです。逆に、「変わるもの」に一喜一憂するということは、経営の軸足が「不確かなもの」におかれているということです。

新型コロナウィルスによる未曽有のできごとは、起業家の「どこにどう軸足を置くか?」が問われている時代。どうしても「不確かなもの」に向きがちな自分の意識を、「今の現実・事実」に向ける知性が必要ともいえるでしょう。

 

April 15, 2020 |

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