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2020.06.02

「正義」というしがらみ

Photo_20200602132801なぜ人はカルトに惹かれるのか

瓜生 崇 (著)

 

30年くらい前でしたでしょうかね、宗教団体にはまった友達がいました。

 

 

「久ぶりに会わない」と喫茶店に呼び出され、近況報告もそこそこに「人間には10の悪がある」だとか「それを消滅しないと大変なことになる」とはじまりました。

 

 

「申し訳ないのだがまったく興味がない」と話をすると、偉い人(?)がいきなりやってきて僕らのテーブルに座り始めました。で、友達が話したようなテーマを次々となげかけてきます。

 

 

その時に気づいたのですが、僕のテーブルの周りは会話を聞き耳たててチェックしている宗教団体の関係者に囲まれていたようです。まあ周到だこと。

 

 

まあ、この人(30代と思しき女性)の口の立つこと立つこと。何を言っても機械のように返されます。友達の顔もあるのでしばし付き合っていたのですが、あまりの強引さに嫌気がさし「俺はあんたの話を聞くためにここにきたんじゃないんだよ」といって喫茶店を去りました。

 

 

帰りに、「あなたは一生不幸な目に合うんだわ」と高笑いされましたが、あの人こそたくさんのパーパカルマ(悪業)を積み重ねてないでしょうかね(笑)

 

 

今思うと、あの女性の何かにとりつかれたような物の言いよう。私からみたら「思考停止した人」のように感じました。

 

 

宗教的な教えが素晴らしいのか、教祖やグル(先生)が魅力的なのかわかりませんが、こちらの事情も一切忖度することなく「この教えは素晴らしい」と連呼するさまは「洗脳されてしまって何も考えていない人」に見えました。

 

 

でも、彼女から私をみたらどう見えたんでしょうね??

 

 

おそらく、「思考停止した人」に見えていたんじゃないかなと思うのです。「(社会の価値観やしきたりに)洗脳されてしまって何も考えていない人」にこちらを見ていたんじゃないかな、と。

 

 

「あなたは思考停止してるよ」という「正義」と「正義」が水面下でバチバチ戦いあうわけですから、まあ、決裂もするわけです。

 

 

さて、世界は「正義」が花盛りです。「正義」は表向きには、活きる力と力強い軸を与えてくれますからね。会話の中でも、SNSでの発信でも「正義」はいたるところで見つけることができます。

 

 

でも、過度の「正義」は「思考停止した人」の存在を創りだすようです。

 

 

  • あの人には、この教えが必要だ。だけど、何も考えていない・・・
  • あの人には、この先生が必要だ。だけど、受け入れるだけの器量がない・・・
  • あの人には、この情報が必要だ。だけど、テレビばかり見ているから知らない・・・

 

 

で、おせっかい気質の人は「思考停止をした人を助けたい!」となるわけですね。

 

 

でも、人はそれぞれの分野で「思考」を一生懸命働かせているわけです。他人には「洗脳されている」だとか「はまっている」だとかいうようにみえても、その人なりの真摯な気持ちでむきあっているわけです。

 

 

それを、「思考停止したように見る」ことからくる人間関係の問題は、そこかしこに存在しているんだと思います。

 

 

最近発売された『なぜ人はカルトに惹かれるのか』(瓜生祟著・法蔵館発行)を読んで、そんなことをぼやーっと思いました。

 

 

新興宗教などにみられるカルト団体についての本はたくさんありますが、この本はとても秀逸です。

 

 

近い人がカルトにお困りの方はもちろん、自分自身の「脱正義のためのガイドブック」としてこの本は有益でしょう。

 

自分よがりの「正義」に頼って得られた自信など、しょせんはもろいものですしね。そんな「自分というカルト」に気づき、縛られないためのヒントが満載です。ぜひ関心あれば、一読ください。

 

 

 

June 2, 2020 in 人間関係に関すること人間の認知について観た映画、読んだ本、行ったイベント |

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