【備忘録】2021年8月の読書
本は借りずに、すべて買う派です。で、途中で「面白くない」とか「まったく集中して読めない」という本は次々と手放します。
かつては、「どれだけ沢山の本を読むか?」にエネルギーを注いだ時期がありました。ただ現在は、「読む必然性がある本とちゃんと向き合う」を読書の規範(?)としています。
ここに挙げた本は、今月(2021年8月)に一通りすべて読んだ本。備忘録としてコメントをつけてメモしておきます。
- 『法然対明恵』(町田宗鳳著)
明恵という真摯な修行者と、南無阿弥陀仏の念仏で救われると説いた法然とを比較する面白い考察。異質な両者の対立軸は、現代の宗教界にも通じることがたくさんありそう。日本仏教再生へのヒントがたくさんありそうな本。
- 『哲学の先生と人生の話をしよう』(國分功一郎著)
気鋭の哲学者による人生相談。相談に答えるというのは、相手の生を受け止めること。そして、語られていないことに想像を果たすこと。そんな事例となるような本でした。頭のいい方の話の展開方法は違うなあ。
- 『天才 富永仲基』(釈徹宗著)
300年前、大乗仏教についての独創的な研究をした町人学者。「大乗仏教とは何か?」を考えるために読んでみました。
- 『内村鑑三』(若松英輔著)
- 『アウグスティヌス』(出村和彦著)
どちらも歴史の教科書に出てくるかのような偉大な人物ですね。共通するのは、キリスト教に生涯をささげたという点。キリスト教神学に最近ちょっとだけ興味があるので読んでみました。この本に限らず若松先生の著作は深い洞察を与えてくれるから好きです。
- 『不要不急』
10人の僧侶による混迷の時代を生きるヒントです。本の企画はとてもいいと思うのですが、一人一人のパートが物足りず、ちょっと内容が浅い気が。5人くらいを選んで対談してもらえば深い話が展開されてよかったのに、と無責任な感想。
- 『太平洋戦争への道』(半藤一利、加藤陽子、保坂正康)
日本が戦争に突入した6つの分岐点をめぐる対談。幅広く、ざっくりと昭和の歴史を知りたい方にはお勧め。国際連盟を脱退した時の外務大臣・松岡洋右について知りたくなった。卒論の時に調べたはずだけど(笑)
- 『日本哲学の最前線』(山口尚著)
新進気鋭の哲学者の仕事がざっくりとわかる本。世界には、自分とまったく違う頭の使い方をする人がいるものだと改めて思う。哲学者と宗教者は、これからの時代で絶対に活躍するはず。てか、活躍しないと次の世界のグランドデザインができないとさえ思う。
- 『運命と選択の科学』(ハナー・クリッチロウ著)
「人間はどれだけ自由意志があるのか?」を脳科学の点から解明した本。ヨガの先生がおススメしていたので読みました。「なるほど!」だけど、全面的に認めたくない自分もいます。自由意志ってのがあるってのが、自分のアイデンティティになってるからかしらね。
- 『言志四録(4)』(佐藤一斎)
大河ドラマを見ていたら、久々に読みたくなった本。智慧ある隠者が語る、人生訓、処世訓。単なる道徳に聞こえないのはなんでなんだろう?と読むたびに思う本です。
- 『ビジョナリーカンパニーZERO』(ジム・コリンズ著)
わたしが一番影響を受けたといっても過言ではないビジネス本『ビジョナリー・カンパニー』。シリーズを重ねるごとに、「ああ、最初のが一番よかったなあ」と思うのはどこかかなしい。この本もいい本だと思うよ。けど、『ビジョナリー・カンパニー』のシリーズとなると、物足りなさを感じてしまうのよね。偉大な作品の後は、難しいね。
ということで、9月もいい本と出合えますように。
August 30, 2021 | Permalink
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